こんにちは!高松市の高田歯科口腔外科医院院長の高田です。
当院のブログをお読みいただき、ありがとうございます。今回は、歯科医療における最新技術の一つであり、より精密で安全な治療を可能にする「歯科用CT」について詳しくお話ししたいと思います。
歯科界における「新・三種の神器」?
かつて、歯科医院の「三種の神器」と言えば、X線撮影装置、タービン(歯を削る器具)、そしてユニット(治療用の椅子)でした。しかし、現代の歯科医療は日々進化しており、より高度な治療が求められるようになってきました。そこで、今、歯科界で「新・三種の神器」と呼ばれているのが、歯科用CT、マイクロスコープ、そして口腔内スキャナーです。
従来のレントゲンとの違い
歯科医院で「お口の中の写真を撮りますね」と言われて、お顔の横に板を挟んで撮影した経験がある方も多いのではないでしょうか。これは、パノラマレントゲンやデンタルレントゲンと呼ばれるもので、歯や顎の骨を平面(2次元)で撮影します。骨の形や歯の生え方、むし歯の進行度合いなどを把握するのに非常に役立ちますが、奥行きや立体的な構造を正確に捉えることはできません。
一方、歯科用CTは、Cone Beam CTとも呼ばれ、360度からX線を照射することで、お口の中を立体的な3次元画像で撮影することができます。まるで、お口の中を輪切りにしたような状態を、様々な角度から見ることができるイメージです。これにより、従来のレントゲンでは見つけられなかった神経や血管の走行、骨の厚みや密度、病巣の位置などをより正確に把握することができるのです。
なぜ歯科用CTが必要なのか?
では、なぜ歯科用CTが現代の歯科医療に欠かせないのでしょうか?それは、より正確な診断と、患者様の安全性を高めるためです。
例えば、歯の根の治療を行う場合、根管の形態は非常に複雑で、肉眼で確認することはできません。従来のレントゲンでは、根の長さを測ることはできても、根管が途中で枝分かれしていたり、湾曲していたりすると、その詳細な構造を正確に把握することは困難でした。しかし、CTを撮影することで、根管の形状や数を立体的に把握できるため、より確実に病巣を取り除き、再発を防ぐ治療を行うことができます。
また、親知らずの抜歯も、CTが非常に重要な役割を果たします。親知らずの根が、下顎の神経や血管に近接しているケースは少なくありません。神経を損傷してしまうと、抜歯後にしびれが残るなどのリスクがあります。CTを撮影することで、親知らずと神経の位置関係を正確に把握できるため、神経を傷つけるリスクを最小限に抑えながら安全に抜歯を行うことができます。
さらに、CTの撮影時間はわずか数秒〜十数秒程度と短く、X線の被ばく量も医科用CTに比べて非常に少ないため、安心して撮影を受けていただけます。
どのような治療に活用されるの?
歯科用CTは、その精度の高さから、様々な治療に活用されています。
① インプラント治療
インプラント治療は、顎の骨に人工の歯根を埋め込む手術です。骨の厚みや密度、神経や血管の位置を正確に把握せずに手術を行うと、インプラントが骨にうまく定着しなかったり、神経を損傷したりするリスクがあります。
CTを撮影することで、インプラントを埋入する最適な位置、角度、深さをシミュレーションすることができます。当院では、このCT画像をもとに、サージカルガイドという、インプラントを正確に埋入するためのガイドプレートを作成し、より安全で精密な手術を行っています。
② 矯正歯科治療
矯正治療は、歯を少しずつ動かすことで、歯並びや噛み合わせを改善する治療です。歯が動くスペースや、歯の根が骨の中にどのように収まっているかを正確に把握することは、治療計画を立てる上で非常に重要です。
CTを撮影することで、歯の根の向きや位置、顎の骨の形状などを立体的に把握できるため、より効率的で安全な矯正治療を行うことができます。
③ 根管治療
前述の通り、CTは複雑な根管の形状を正確に把握するのに非常に役立ちます。また、従来のレントゲンでは見つけにくかった根尖病変(歯の根の先にできる膿の袋)や根管の亀裂なども発見しやすくなります。
これにより、感染源を徹底的に除去し、再発リスクの低い根管治療を行うことができます。
④ 親知らずの抜歯
CTを撮影することで、親知らずと下顎の神経や血管との位置関係を正確に把握できます。これにより、神経を損傷するリスクを最小限に抑えながら、安全でスムーズな抜歯を行うことができます。
⑤ 歯周病治療
歯周病は、歯を支える骨が溶けてしまう病気です。従来のレントゲンでは、骨の溶け具合を平面でしか見ることができませんでしたが、CTでは骨の溶け方を立体的に把握できます。これにより、より詳細な治療計画を立てることができます。
当院が歯科用CTを導入している理由
当院では、患者様一人ひとりに、より安全で質の高い治療を提供するために、歯科用CTを導入しています。
歯科用CTは、精密な診断と治療計画を可能にし、患者様の安心・安全を守る上で欠かせないツールです。従来のレントゲンでは見えなかった部分まで立体的に把握できることで、治療の精度が向上し、予後も良好になると私たちは考えています。
「インプラントを検討しているけど、手術が怖い…」「親知らずの抜歯って痛いのかな…」といった不安をお持ちの方も、CTで撮影した画像を見ながら、治療内容やリスクについて丁寧にご説明しますので、安心してご相談ください。
当院は、高松市にあり、ホームページ(https://takada-dent.jp/)でも、当院の設備や治療内容について詳しくご紹介しています。
これからも、最新の技術と知識を取り入れながら、地域の皆様のお口の健康をサポートできるよう、努めてまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。