インビザライン矯正「よくある誤解」10選!院長が全部答えます!

こんにちは!高松市の高田歯科口腔外科医院院長の高田です。

近年、「目立たない」「取り外せる」といったメリットから、マウスピース型矯正装置を用いた治療、特にその代表格である「インビザライン」を希望される方が非常に増えています。CMやSNSなどで見かける機会も多くなり、その人気はますます高まっています。

しかし、その一方で、手軽なイメージが先行してか、インビザラインについて誤った情報や勘違いが広まっているのも事実です。治療を始めてから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、正しい知識を持つことは非常に重要です。

そこで今回は、院長である私が、皆様が抱きがちなインビザライン矯正に関する「よくある誤解」10選をピックアップし、一つひとつ丁寧にお答えしていきます!

 

【誤解①】インビザラインは、軽い歯並びの乱れにしか対応できない。

【回答】いいえ、そんなことはありません。幅広い症例に対応可能です。

これはインビザラインが登場した初期の頃のイメージが強く残っている誤解です。現在のインビザラインは、システムや素材が飛躍的に進化しており、歯を精密に動かすための「アタッチメント」という補助装置や、顎のズレを改善するための「顎間ゴム」などを併用することで、かつてはワイヤー矯正でしか難しいとされた抜歯が必要な症例や、複雑な歯並びの乱れにも幅広く対応できるようになっています。もちろん限界はありますが、「インビザライン=簡単な症例専門」というのは過去の話です。

【誤解②】ワイヤー矯正よりも、費用がすごく高い。

【回答】一概にそうとは言えません。費用は症例の難易度によります。

確かに、従来の表側ワイヤー矯正と比較すると、インビザラインの方がやや高額になる傾向はあります。しかし、歯の裏側に装置をつける「舌側矯正」などと比較すると、同等かむしろ安価な場合もあります。矯正治療の費用は、使用する装置の種類だけでなく、治療全体の難易度や期間によって大きく変動します。当院では、治療開始前に必ず総額を明記した治療計画書をお渡ししますので、ご安心ください。

【誤解③】治療期間がワイヤー矯正よりも長くかかる。

【回答】むしろ、短くなるケースもあります。

治療期間は歯並びの状態によるため一概には言えませんが、インビザラインはコンピュータ上で作成された精密な3D治療計画(クリンチェック)に基づき、無駄のない効率的な歯の動かし方をします。そのため、ワイヤー矯正と同等、あるいは症例によってはより短い期間で治療が完了することもあります。また、通院頻度もワイヤー矯正が月に1回程度なのに対し、インビザラインは1.5〜3ヶ月に1回程度で済むことが多いのも特徴です。

【誤解④】装置はまったく誰にも気づかれない。

【回答】「非常に気づかれにくい」ですが、「完全に見えない」わけではありません。

インビザラインのアライナー(マウスピース)は、薄く透明な医療用プラスチックでできているため、装着していても非常に目立ちにくいのが最大のメリットです。しかし、【誤解①】でも触れた「アタッチメント」という歯と同じ色の突起物を歯の表面につけることが多く、近くでよく見ると分かる場合があります。とはいえ、ワイヤー装置に比べれば審美性は格段に高く、ほとんどの方が問題なく日常生活を送られています。

【誤解⑤】取り外し自由だから、好きな時に外して大丈夫。

【回答】いいえ、自己管理が非常に重要です。1日20~22時間の装着が必須です。

これがインビザライン治療の成功を左右する最も重要なポイントです。アライナーは食事と歯磨きの時以外、つまり1日20時間から22時間以上装着しなければ、計画通りに歯が動きません。装着時間が短いと、治療期間が延びるだけでなく、アライナーが歯に合わなくなって作り直しが必要になることもあります。取り外せる手軽さはメリットですが、その分、患者様ご自身の強い意志と協力が不可欠です。

【誤解⑥】ワイヤー矯正と違って、まったく痛くない。

【回答】痛みは少ないですが、「圧迫感」や「締め付け感」はあります。

新しいアライナーに交換した後の2〜3日間は、歯が動くための力がかかるため、歯が浮くような「圧迫感」や「締め付けられるような感覚」が出ることがあります。これは歯が正しく動いている証拠です。ワイヤー矯正のように装置が口内炎の原因になったり、調整後のワイヤーが刺さって強い痛みが出たりすることはほとんどなく、一般的に痛みはマイルドだと言われています。

【誤解⑦】マウスピースをつけたまま、何でも飲食できる。

【回答】お水以外はNGです。必ず外してください。

アライナーを装着したまま飲食ができるのは「お水」だけです。

  • 糖分や酸を含む飲み物:アライナーと歯の間に糖分が停滞し、虫歯の温床になります。
  • 色の濃い飲み物(コーヒー、紅茶、カレーなど):アライナーやアタッチメントが着色してしまいます。
  • 熱い飲み物:アライナーが変形してしまう恐れがあります。
  • 食事:アライナーが破損します。 必ず飲食の際はアライナーを外し、食後は歯磨きをしてから再装着する習慣を徹底しましょう。

【誤解⑧】どの歯科医院で受けても、結果は同じ。

【回答】全く違います。ドクターの知識と経験が結果を大きく左右します。

これは最大の誤解の一つです。インビザラインは、AI技術を駆使した高度なシステムですが、あくまで「治療の道具」です。最終的な歯並びを決める治療計画(クリンチェック)を作成し、治療の過程で起こる問題を予測・修正するのは、担当する歯科医師です。同じお料理を作るにも、シェフの腕によって味が変わるのと同じで、インビザライン治療も、ドクターの診断能力や治療経験によって、その質と結果は天と地ほど変わります。

【誤解⑨】最後のアライナーを使い切ったら、治療は完全に終わり。

【回答】いいえ、きれいな歯並びを維持する「保定期間」がスタートします。

矯正治療で動かした歯は、何もしないと元の位置に戻ろうとします。これを「後戻り」と呼びます。この後戻りを防ぎ、美しい歯並びを定着させるために、治療後は「リテーナー(保定装置)」という装置を一定期間、あるいは生涯にわたって使用する必要があります。インビザライン治療が終わっても、リテーナーを使わなければ、歯並びは元に戻ってしまうのです。

【誤解⑩】インターネットで売っている安いマウスピース矯正と同じ。

【回答】全くの別物です。医療行為と製品を混同しないでください。

近年、歯科医師の診断や検査なしに、オンラインで歯型を採って送るだけで始められる安価なマウスピース矯正サービス(D2C)が出てきています。しかし、これらはレントゲン撮影や精密な口腔内診査を行わないため、虫歯や歯周病を見逃したり、骨格的な問題を考慮せずに歯を動かしたりするリスクを伴います。インビザラインは、歯科医師の厳格な監督のもとで行われる「医療」です。安全性と確実性を考えれば、両者が全く異なるものであることは明らかです。

 

まとめ

インビザラインは、正しく理解し、適切に行えば、非常に優れた効果を発揮する素晴らしい治療法です。大切なのは、不確かな情報に惑わされず、信頼できる歯科医師のもとで治療を受けることです。

当院では、患者様一人ひとりの不安や疑問にしっかりとお答えし、十分にご納得いただいた上で治療を進めてまいります。高松市でインビザラインをご検討中の方は、ぜひ一度、お気軽にカウンセリングにお越しください。